☆死に様(2002/12/04 19:36:48)

先日の高田選手の引退試合をTVで見ました。
特別高田ファンというわけでもないのですし、
総合格闘技という競技自体も
プロレスファンとしてプロレスラーが参戦してるから見てる
という程度なんです。
そもそもかれこれ二十数年プロレスファンである痲酔は
「プロレス」というジャンルの人間美学のようなものに
惹かれ見続けているんであって、
ただ相手を倒して、最強を決めるだけの競技にはあまり
興味をしめさないといいましょうか・・・・

で、高田引退試合。残念ながらTVで見るはめとなりましたが
久しぶりに感動で視界を遮られました。

高田VS田村
往年のUWF時代からずっと見続けている人にとっては
ちょっと感慨深いマッチメークですよね。
アントニオ猪木に憧れて「アイアムプロレスラー」になった
高田選手。
その高田延彦に憧れてUの門戸を叩いた田村選手。
紆余曲折を経てUWF解散。そして離合集散。
伝説のUWFインターという団体でエース高田、
時期エース田村というポジションに時は二人を落ち着かせました
そんな二人に微妙なズレが生じてきます
UWFインターは最強であると信じてやまない気持ちはお互い
同じなれど、表現方法に差が生まれてきます。
UWFインターでの切磋琢磨に美学を持つ田村と
あくまで敵対する巨大帝国をうち破ってこそと最強を
証明しようとする高田。
どちらが正しいというわけではありませんが
田村は新日本と関わることを強烈に拒んだ。
高田は新日本プロレスの至宝IWGPのチャンピオンになった。
その事実は田村をいらつかせました。

「高田さん、真剣勝負してください」

UWFインターは新日本に破れ崩壊。田村は前田日明のリングスへ
「真剣勝負」はもろくも立ち消え、高田はプライドへ。
ここでもまた同じ運命に悩まされます。
プライドとリングス。
詳しくは全然違うんですけど、
プライドは顔面への打撃有りなのです。
田村選手は人間の顔面を殴るということがどうしても許せなかった
どうしてそんなことができるのか?
常にそう思い、プライドは選択できなかった。
高田は最強を証明したい。
田村はその競技を確立させたい。
時を経て、リングス活動休止
田村選手がプライドにやってきました。
勿論顔面への攻撃はやるつもりもありませんでした。
実際プライドルールでは圧倒的に不利。
田村選手は負け続けました
プライドミドル級チャンプ シウバ
ビースト ボブサップ
でも己は曲げませんでした。思えばずっと曲げなかった。
憧れの高田と袂をわかっても曲げなかった。
そのころ高田選手は選手としてもう末期を迎えていました
後継者に桜庭選手がスターになっていました。
総合格闘技の草分けが最後に選んだ相手として誰が・・・
何故か運命的に同じリングに上がっていた二人。
高田対田村
明らかに高田は満身創痍でした。
傷だらけのかつての師匠に、憧れていた人に田村は
困惑を隠しきれない。しかもプライドルール。
田村選手にはこくな戦いです。
実際好位についても田村は責めあぐねていました
相手は高田延彦、グランド技は得意です。
決め手を欠いたままラウンドは進み、その困惑を吹き飛ばす
出来事が起きました。
高田が田村の顔面にパンチを打っていきました。
動物的本能で切り返す田村。
運命の悪戯かカウンターで放った田村のパンチが
高田の顔面にクリーンヒット。
高田大の字。
奇しくも田村が顔面を殴った相手がこの世界へ導いた人。
試合後も田村は項垂れたまま、涙を浮かべました。
高田は爽快な顔つきで田村に言いました

田村潔司!お前は男だな」

高田道場
http://www.takada-dojo.com/
田村潔司主催u-filecamp
http://www.u-filecamp.com/
●総合格闘技の歴史
http://www3.ocn.ne.jp/~haseg3/souun.htm
●プライド
http://www.so-net.ne.jp/pride/