きらきらアフロ

わたしはあまりTVを見ない。
時間が合わないというのも一つの理由だ。
しかしながら、大変興味深いものであれば見るだろう。
なにしろ映画や演劇、ライブなどと違って時間を選ばず寝っ転がって
自宅で愉しむことが出来るのだ。
こんなに楽なことはない。
元来不精者のわたしが自宅にある箱で事が足りるならそれにこしたことはないだろう。
「わざわざ足を運ぶことに醍醐味があるのだ」
という感覚も理解できるが、「めんどくさい」には負ける。
「めんどくせえからよそう」
となるのが基本である。
しかし世の中巧くできているというか、巧く行かないというか
わたしはTVを殆ど見ない。
TVってな何だろう?
メディアではあるだろうね。しかも国内最大・・・いや世界最大か。
メディアとしての情報伝達速度は群を抜いている。
おそらくインターネットと違い誤報も少ないだろう。
そういう意味ではTVは無いと行けない。
しかし見ない。
早けりゃいいってもんじゃないとは思っては居ないが見ない。
こんなわたしでもガキのじぶんはTVっこだった。
TVゲームやサッカーなんぞにはすぐに飽きちまうガキだったが
TVはずっと見ていた。チャンネルを変えるのがめんどくさいので
妹に換えさせていた。お袋が其れを見て
「いもうとコントロールだね。」
両親も考えた。動かずTV漬けのガキには手を焼いた。
結局当時は貴重であったベータのヴィデヲデッキを親父が買ってきて
19:00以降のTVの視聴禁止と相成った。
結果わたしは友人の誘いを一手に断り、早い帰宅となり、
結局友人をたくさん失った。
殆ど引きこもりのわたしに両親は安心していた様子だった。
「家にいれば悪さも出来まい」
つまりTVに夢中だった。TV以外は何も無かったのかね?
結局TVで観た落語家に憧れ、寄席に通いだし、
TVで観た競走馬を生で観たくて競馬場に行き、
TVでヤクルトファンになり、
TVに映る馬場、猪木、タイガーマスクに一喜一憂した。
TVがことの発端により、興味は分散していったのだろう。
TVはドギュメンタリーなのだと思う。
各ジャンルの一流の皆様がTVという箱に閉じこめられ、
我々視聴者は彼らを知り興味を持つ。
それは間違いなくメディアの仕事であろう。
しかし現在のTVはそういったソフトは別の處から持ってくると言った
メディア的な手法だけではなくなっている。
つまりTV自体がソフトを作り始めた。
いや以前からやっていただろうが、作っていた人は
別ジャンルの一流の人たちだったのではあるまいか?
曰く映画を作っていた人たちがTVでドラマをやり、
寄席芸人達がTVでコントをやったのではなかろうか?ということだ。
結局餅屋は餅屋の了見でなのか、
TVドラマもTVのお笑いもTVにあわせられる人が残り
その道のプロとなり、TVのみに焦点を絞った作品を輩出していった。
しかし、元はと言えばメディアである。
視聴者ありきだ。それも昔の寄席の如く数千人をターゲットにした
ある都市を中心とした娯楽ではない。
数千万人が観ている日本最大のメディアで、受け入れられる作品を輩出するのは極めて困難であろう。
純粋に考えればそれが受け入れられれば凄い。此程凄いことはない。
しかし、実際には受け入れられているというよりも
「クレームの付かない」「無難な」作品に成る可能性が極めて高いだろう。
憶測だがそうなんじゃないでしょうかね?
だからわたしは最近TVはニュースやドギュメンタリーなどしか観ない。
あとは決まった番組だけだ。
その決まった番組の一つに「きらきらアフロ」という番組がある。
東京では火曜日の深夜テレビ東京で放映されている。
内容は40分たらずの放映時間内に
笑福亭鶴瓶師匠とオセロというお笑いコンビの片割れ松嶋尚美さんが
喋り倒すと言う番組である。
実はTVを観ないわたしはこの番組をよこかわさんから聞いた。
しかもよこかわさんからDVDを借りた。
そして夜通し観た。三巻組だ。
凄いね。
松嶋さんの咄、その内容よりも形式がとてつもなく巧い。
きっと計算してやっているというよりも天性だろう。
好き嫌いは別として面白い。
とこの程度の感想を書くためにだらだらとTVについて書いた
たまにTVも面白い。
もっと云うとこの番組もドギュメンタリーとは云えるか。
きらきらアフロhttp://www.tv-osaka.co.jp/ip/kirakiraafro2004/