蟲対談「蟲籠」第伍回 ゆり

収録日4月30日(静岡市久能「国道150号イチゴ海岸通り」 http://www.rurubu.com/Pref/List.asp?ChikuCD=2220112&MeshCD=220104

さあさ!もうすっかりお馴染みとなりました蟲対談「蟲籠」。5人目の登場と相成ったのは蟲最年少現役女子高生ゆり。この度は痲酔の能書きはなしにノンストップでお送りいたします。

ゆり(以下Y) 「○○だよね。」って言っても30秒後に返事が来るぐらい反応遅くて、人の話し聞かない割に自分の話は「今日エイジと一緒に学校来て」とか、おいおいエイジって誰だよ?
痲酔(以下M) ああ、わかんないんだ?
Y (笑)エイジって誰?よく男の名前が出てきて、彼氏いるんですけど、エイジって誰なんだろう。
M ゆりちゃんの友達とかじゃないんだ?エイジって・・・
Y 全然知らない。割と音楽の趣味の合う友達が見つかって、hideちゃんの話をしているその時はその子は黙ってて。
M まあその話に興味ないわけだ。その子は。
Y そうそれはいいじゃないですか。でも、その話の最中に急に割り込んできて「ねえあの女の人さっきあたしに話したんだよ〜」って意味のわかんないことを(しゃべり出す)全然違う会話をする。
M 話を遮るわけだ。
Y 周りのみんなは退いてて
M まあ退くわね。
Y 「この人何言ってるの?」って言う感じで特に hide大好きな友達は気分が顔に出ちゃう子で、「は?」って顔してて、明らかに不愉快な顔をしてるの
M 「今しなきゃいけない話なわけ?」ってところがあるわけだね。
Y (強く)そう。
M 話を遮って、更に押しつけてくるんだ。
Y そう。だからゆりが「ああ良かったねえ」と諭すと。でみんなに「ごめんね。話を遮っちゃって」とゆりが謝って。会話が噛み合わない。
M へえ。
Y 例えば質問をしてるのに「へえ」と返答してきたり
M (爆笑)でもさ。その人はその人のことを「ああそういう人なんだ」と認識して、その人のマイペース全体をギャグとして聞けば面白いんじゃん?「またあいつこんなこと言い出してさあ」とかにすればいいじゃん。
Y でもだんだん慣れてきて・・・
M 未だ一ヶ月も経ってないだろ?
Y 経ってないですね。話が5回に1回ぐらいは「ふ〜ん」だから話が発展しない。
M 話が合わないんだね。まあいいんじゃないの?そういう人は立派な人だよ(笑)大抵の人が相手の話を聞いてしまうというか、リアクションしてしまうからね。影響されてしまう。自分がそうしたいと思っていても人に合わせたりしちゃうでしょ?
Y しちゃいますよね。
M でも合わせないわけだから、偉いという見方もあるよね。ちゃんとしてる。人に左右されない。でもことによるとエイジや彼氏の前ではそうでもなくてゆりちゃんだからってのもあるんじゃないかね?
Y 他の人とは普通に話してるっぽいんですよね
M 受け入れられると思ったんじゃないの?この人はオッケーだって。
Y そこまで物事を考えてないと思うんですけど。
M そういう人はあれですよ。本能っていうか、匂いで感じ取るわけですよ。
Y ああ・・・ゆりの話とかどうでもいいのかなあって・・・
M 逆にゆりちゃんが「ゆりの話とかどうでもいいのかなあ」っていっぱいいっぱいに成ってしまうと負けだな。
Y (笑)
M 完敗だな。周囲の人にこぼしてもさ。「そういうのと付き合うからいけないんじゃん」と思われるのが関の山じゃないですか?同情はされるかも知れないけどね。
Y うん
M それで影響されて「あの人のマイペースには・・・」って凹んだら得はないだろうね。
Y ああ
M 向こうは得だらけだろうけどね。好きなこと云えるしね。
Y 何となく慣れてきて、こういう時にはこういう対応をってのが出来るようになってきた。でも対処してたらちょっと冷たい態度に感じられたみたいで接触が少なくなってきた。
M サイクルが早いなあ(笑)。どういう子なの?見た目は。
Y 何か流行系。
M へえ。そんなマイペースなのに流行に着いていけるの?若しくはしようとしてるけど出来てないの?
Y そういうことには素早い反応なんですよ。
M やっぱりその人はちゃんとしてるよ。自分の必要なモノには敏感なんだもん。必要なモノだけ揃えるわけでしょ。
Y 流行と男と・・・
M それとゆりちゃんみたいな話を聞いてくれる人と。己の精神バランスを保つためのモノを全部揃えるためにあらゆる思考と手段を駆使するわけだ。もちろん考えてやってるわけじゃないだろうけど、自然とそうなっていく・・・ことによるとうまく生きてるのかもしれないよ。
Y 本人的にはうまくいってるってことですよね?
M そうだね。だけど周囲の声は気にならないんだから(本人的にで)いいんじゃない。解らないけどね(笑)。本当は辛くて仕方がないかも・・・んなこたあねえよな。そうだったら治さざるを得ないだろう。
Y なんなんだろう。
M 好きか嫌いかは別として、ちゃんとしてるんじゃないの?
Y 周りのことは省みてないよね。
M 「省みたってしょうがないじゃん」と思ってるかも知れないよ。
Y ああ。でも見た感じ何にも考えてなさそうだけどなあ・・・
M うん。だからそうしか出来ない、振る舞えないんだろう。
Y どうしよう。
M ほっとけばいいじゃん。
Y でもhide好きの友達とか怒るし・・・
M 怒らせとけばいいじゃん。別にゆりちゃんが関係する事じゃないジャン。
Y でもゆりに話しかけてくるし・・・
M 逆に言えばゆりちゃんが謝ることによって、hideファンの子たちは「ああ仲間だなあ」って括るでしょう。
Y ああそうか
M ぶっちゃけ愉しんで生きた方が良いよ。
Y うん。
M 一日中が愉しいわけはない。悲観的で暗い性格なのはしょうがないからさ(笑)
Y (笑)
M しょうがないよ。それはおいらも一緒だから。じゃあ工夫しなくちゃしょうがねえじゃん。
Y うん。
M 新しい高校行ったんだしさ。いいんじゃん?
Y 友達も出来たし。
M やっぱり人に好かれる性格なんだよ。キャラなんだよ。
Y そうかなあ。
M 優しいからね。
Y そうでもないよ。
M だってその子にも優しいジャン。かばってあげたりさ。
Y うん。
M そこを工夫して、おいらだったら、その子を「おもしれえな」って思うようにするよね。
Y 「おもしれえ」って言っちゃえば面白いかな
M 面白いから付き合いがあるわけでしょ?
Y う〜んどうなんだろう・・・最初に仲良くなった子だからって感じで・・・で一緒にいるだけかな。
M 折角だからじっくり観察を続けてみなよ。折角面白いんだし
Y あっそうだ。そういえばカラオケに行った時最高だった。
M そうこなくちゃ(笑)
Y すっごい下手で、こんな非道い人初めて見た(笑)音はずれてて。ほんとにあういう人いるんだなあって。本人はカラオケ得意って言うから行ったのに
M 音も聞いてないんだ?話だけじゃなくて(笑)
Y そうそう。リズムも着いて行けてなくて。
M へえ。画面も見てないんだ。視界に入らないんだね。
Y 可愛そうな子なのかなあ。
M それは可愛そうでもなんでもないよ。そういうモノを持ち合わせていただけだもん。人間誰でも欠点も美点もあるでしょ。
Y カラオケ下手なのは指摘しない方がいいのかなあ。
M 面白いからそのままのがいいじゃん。
Y 治されちゃったり、「もうカラオケ行かない」って言われたら面白くないし。
M そうだよ。そういうことっていっぱいあるじゃん。人間欠点も美点もあるんだから、それを補い合って生きていくのが生活でしょ。
Y でもその子とは付き合いにくいなあ・・・
M 駄目だったら、しょうがないよ。人間関係だもん。うまくいかないことだってあるよ。
Y その子、友達出来るのかなあ。
M 心配してるの?心配してる場合じゃないよ。
Y だけど“しかと”だよ。話しかけても。聞こえてないんじゃないと思う。聞いてないなあって思う。
M 聞く意思がないんだよ。
Y じゃあ何してるんだろ?人と話してるとき。
M 興味がないんだろうな。興味深い話をしたらどうだい?
Y 男の話とかかなあ・・・
M (笑)
Y そのくらいかなあ・・・みんなで笑ってても一人だけ呆然としてるし。笑いのツボが違うのかなあ?
M まあそうだろうけど。根本的に話し聞いてないんでしょう?マイペースなんだからさ。
Y マイペースすぎる。あんなにマイペースな人見たことない
M カラオケの画面も見てないんだし、人の顔色なんて見ないだろ?
Y (笑)
M 色んな人が居るよ。
Y ほんとにあの学校行って色んな人がいるなあって思った。
M 色んな人がいるから、“良い意味”で影響されるのはいいけどさ。自分が愉しくない方に影響されると大変だよ。報酬があるなら良いよ。その場愉しくなくとも例えばなんかの訓練になるとか、話がうまくなるとか、歌が上手くなるとか結果があるならいいけどさ。ないなら自分が苦しいだけだから。
Y うん。
M でも彼女がいるお陰で「人の痛みが分かる自分」を知る事が出来ていいんじゃないの?でも解んないよ。見方を変えたら向こうのが正しいのかもよ?自分のが「正しい」ってなら、その信念を貫けばいいし。
Y 最近あの子のリアクション遅いのがうつってきちゃって・・・
M うつってきたの?駄目ジャン(笑)
Y 「○○だよね?」って他の子に聞かれてもすぐに「うん」と出ない。
M その子のことで頭が一杯なんだね。
Y うん。
M 優しいんだよ。
Y 優しくはないかも。
M みんな自分のことで精一杯だよ。他の人たちはその人のことを嫌がってるんでしょ?
Y うん。
M 他の人達だって、自分勝手ジャン。その人は学校社会においては欠落してるんでしょ?その欠落してるところを補っていかないで、ほっといて人によっては嘲笑の対象にしてる。みんな自己基準で生きてるんだよ。よくも悪くも影響されてんだな。
Y あの子の影響は大きいね。
M (笑)結構好きなんじゃん。
Y わかんない(笑)すっごい自分に自信があるから・・・
M 羨ましい?
Y 違〜う(笑)「私が声をかけて振り向かない男は居ない」と本気で思ってる。
M そんな羨ましい奴はいないな(笑)。そう思いこめたら素敵ジャン。
Y 最高だと思う。「あの人かっこいいねえ」ってみんなで言ってるとするでしょ?その子は「あたし目が悪いから見えない」って言い出して
M やっぱり目が悪いんだ(笑)
Y そう(笑)目が悪いからって、その男の子の近くまで行って見てくる。しかも「目が合っちゃった」って。それりゃあうだろうって距離まで近づいてくる。
M その子はハッピーなんだろう?
Y かなりね。
M ゆりちゃんはハッピーじゃないんだろう?ハッピーな奴のが凄いよ。
Y でも可笑しいよ。
M (笑)そうだね。可笑しいね。その人はみんなに迷惑をかけて自分をどうにか保ってるよね。
Y たぶん。
M 自分で自分を処理してるっていっても迷惑かけてるから良くないけどさ。自意識過剰ってそんなに悪い事じゃないと思うのね。人間誰でも迷惑かけるわけだしね。
Y 迷惑かけないで生きてはいけない。
M でも迷惑かけて反省するよね。
Y そう。昨日ゆりも友達に謝りまくった。
M 謝るんじゃなくて、感謝した方がいいんじゃねえかって思うのだけども、まあいいやそれは。その子もその内感謝するようになるかも知れないよ。その日を待てというのではなくね。ゆりちゃんもその子に好きな話すればいいじゃん。向こうも好きな話するんだし。
Y 好きな話しても反応ないし(笑)
M 厭だ?
Y もういいやって思う。その子の時は聞き役に徹する。聞いたことを返しても反応ないしね。
M 会話が成立してないんだ。
Y 言葉のキャッチボールがない(笑)。
M しかしね。“わけあり”の人たちの中でも更に“わけあり”なんだね。その人は。
Y ホントわけありの人が多いの。単位制の高校だから。普通の人もいるけど。
M “キングオブキングス”だよね。ある意味。その中でもワケアリ中のワケアリなんだから、半端じゃねえな。本人も大変だし、周囲も大変だろうけどね。見方を変えると、其処まで行ってないワケアリの人は「いやあまだまだだねえ」と思えるかもしれない。
Y 自信過剰な人が多いんですよね。
M おいらの考えだけど過信とも呼べるくらい自信過剰な人と全く自信がない人って似てると思う。
Y ん?
M 自信がないってのは「己に対する期待がでかい」から自信がないんでしょ?自分はこんなもんじゃない。って思ってるから自信がない。
Y あっそっか。
M 同じじゃないよ。でも表現方法が対局なだけで、似てるんじゃないの?って思うのね。とすると自信満々な態度を表現してる人は迷惑という見方もあるけどほっておけば始末にはいいと思う人もいるかもしれない。逆に自信喪失してる人はウザイと思う人もいるかもしれないし、楽だと思う人も居るかも知れない。
Y 自信のある子が集まると面白い。「あたしのが」「あたしのが」ってなる(笑)
M 不幸自慢と一緒だね。
Y 「あたしは何ヶ月入院したことあるもん!」「昨日何錠薬呑んだ!」
M そうそう。それと一緒だね。おいらは自信はないよ。己に対する期待がでかすぎて。ナルシストだからね。
Y ナルシストじゃなきゃ生きていけないよ。誰も
M ただそれが過剰だから“ナルシスト”って言葉があるんだろうね。
Y ゆりはナルシスト病なんです。
M ナルシスト病?
Y みたいな病名つけられたの。人格障害ってショックだった。
M しょうがないよ。医者がそういう診断したら病気とされるからね。そりゃしょうがないよ。内のお袋は風邪もひいたのを見たこともなかったお袋が癌で死んだ時にそう思った。健康・不健康・精神的安定・不安定に関わらず、病気にはなるからね。だから誰しもかかるものだからしょうがない。病院行ったら病名つけられるくらいに捉えた方がいいんじゃないのかね。それよりも毎日がハッピーかどうかのが遙かにおいらには重要なの。ゆりちゃんも新しい学校に行って、ちょっと風変わりな人と出会って、それだけ色んなこと考えてプラス思考で在るところまで行き着くと愉しくなるんじゃないかな
Y それは心の広い人のなせることだよ。
M どうして?自分のことを第一に考えないからだよ。ゆりちゃんが不快なんだったら、その人と仲良くする必要はないんだよ。
Y ない。ないけど・・・
M その人はマイペースなんでしょ?ゆりちゃんがいなくなって、話を聞かなくなっても困らないんだろう。相手が深く傷つく人だったら悩んでしまうのは解るけど、そうじゃないんだったら、ゆりちゃん自身の問題ジャン。ゆりちゃんが何処かでその人に接触したいんだよ。何か解らせたいんでしょ?
Y 「お前可笑しいぞ!」って言ってやりたいけど
M 言っても解らない相手だろうけど、それを指し示してやりたいわけジャン。それってエンターテイメントじゃないのってことなんだよね。色々試してみればいい。「こうやって言ったら解るかな?」とか「次はこう言ってみよう」とか。
Y ハッキリ言っても良いのかな?
M 言っても解んないだろうけど、言ってみたら?
Y 最近はそれでも「人の話し聞いてる?」って聞くようにはしてる。聞いてるっていうんだよね。
M でも聞いてないように見えるんでしょ?だから色んな方法試してみればいいジャン。「じゃあ今なんて言ったか言ってみ」とかさ。
Y ああなるほど。後、キレちゃうとか(笑)
M それでもいいし。でもキレるほど怒れないでしょう?
Y たぶん他人にそれほどには・・・
M そういうのが楽しさの一歩じゃないか?
Y その発想凄いですね。
M 工夫だよ工夫。おいらなんてまともな社会生活営めないから、色んな工夫をしないとさ(笑)
Y ゆりは心が広くないし、頭も良くないし・・・
M 未だ若いからさ。年齢で言えばおいらの半分ジャン(苦笑)。
Y あと女って言う生き物だから、ちょっと変わった子がいるとそれは悪口になっちゃうんだよね。
M 大いに悪口結構。人間なんざ悪口言う生き物だよ。
Y ゆり調子に乗るとさ、「はぶっちゃおうぜ」とか言っちゃう性格だから自分が厭なんだよね。「何か痛い目に遭わせちゃおうぜ」とか・・・
M ホントに厭だったらやんないだろう。
Y そうかなあ・・・
M やりたいんじゃないの?やらないと保たれないんだろうね。言わないとね。
Y どうなんだろう?
M しかもやったことに対し自己嫌悪に陥ることは往々にしてあるでしょう?
Y うんうんうん。
M おいらだって自己嫌悪だらけだよ(笑)偉そうな事言ってるけど、すげえ駄目人間だからね。はったりで生きてるからさ(爆)でも工夫しなくちゃ人と旨くやっていけないしなあ。人と旨くやっていけないから、まあこんな感じになってるよね。まあ色んな人が居ますよ。
Y うん。
M でもそれは社会性とかの組織的な問題であって、実際には色んな人が居て補いあいながら生きていければいいなとは思うよ。だからその人は少なくとも学校の中で自分のポジションを決めたよね。それしか出来なんだろうけどね。それを嫌がる人人もいるし、厭だったら辞めるだろうし。ゆりちゃんだってその子の話し相手だったり、色んなポジションを決めてるよね。
Y 裏で悪口言ってたり?(笑)
M そういうバランスをとって結実したところに己のポジションが明確になってくるんじゃないのかなあ。結実する可能性は薄いけどね。毎日変化するものだから。
Y ああ・・・
M まあでもそんなこと考えてもしょうがないから、愉しいこと考えようって事なんだよね。
Y そっかあ・・・ゆりその子と喋るの凄いストレスだし、他の趣味の合う子と喋る方が愉しいし。横須賀にも行こうって言ってるし。
M それを楽しみに生きるべきだよ。
Y ねえ。日頃の鬱憤をはらすために行くためにお金を貯めたり、服どれ着てこうとか。
M ほら愉しい考えることいっぱいあるジャン。
Y でも一個のことひっかかるとどうにもならなくなる。
M そうだよね。
Y でもなるようになる。
M なるようにしかならないとも云える。
Y うん。
M それだけのことだろうね。でも考えちゃうよなあ(笑)。優しいのはいいけどさ。自分が潰れちゃ元も子もないよ。
Y う〜ん。
M 自分が潰れちゃうよ(笑)ゆりちゃんが思う自意識過剰とは違うんだろうな。自分勝手じゃないんだよ。「自分はもっと他人から評価されてもいいんじゃないか?」って思ってるんじゃないの?
Y ゆりが?
M うん。おいらの考えでは。恐らく周囲の人はそこまで他人について考えてないから、人についての評価も決めないだろうからさ。そういう意味で自意識過剰なんじゃないかね?自分が腹立ったから腹立ったって言うわけなんじゃないかね?周囲のみんなは。ゆりちゃんは良い奴ってことなんだけどね。良い奴故に苦しいのはちょっとやなのね。
Y 良い奴なのかなあ?
M 良い奴だろう。いちいち罪悪感持ってさ。悪口言ってても、何処かきれない部分があるし。
Y なんか人のこと可愛そうに成っちゃう。
M 慈悲深いんだ(笑)
Y なんかやだなあ。
M 偽善ぽいね(笑)
Y うん。例えばおじいさんとかが独りで電車とか乗っているのとかね。
M 例えば人が痛そうにしてるの見てられないんだ。自分がどう思うかよりも人がどう思うかを考えちゃうんでしょ?
Y そうかもしれない。
M まあそれはいいけど、それだけ全然関係ない他人に優しさを振りまけるんだから、周りの人の心配を考えた方が良いよね。
Y 心配してるのかね?
M 少なくもとおいらは心配してる。お母さんは心配してるだろうし。
Y お母さんは色んな意味で心配してる。
M だからゆりちゃんが全然関係ない人に可愛そうと思ってる時に周囲の人は心配してるんだよね。それについてはどお思う?
Y 「可愛そうじゃないよ」って思う。
M 「心配しなくて大丈夫だよ」って?
Y うん。
M だったらそれをちゃんとやらないと。例えばさっきのおじいちゃんは80歳だったら少なくも80年間は生きて来れたんだよ。
Y (笑)
M 尊敬すべきでしょ?可愛そうもいいけどさ。
Y 凄いことだよね。
M 可愛そうでもなんでもない。
Y おじいさんが駅で独りで迷ってたりすると居てもたってもいられない。
M 例えば、豪華客船に乗っているとするよね。溺れる人が出た。浮き輪を投げるのか?飛び込むのか?飛び込むって言ったって、それで助けに言って溺死したら、家族は悲しむよ。そしたら浮き輪投げるってのがバランスじゃないの?
Y でも溺れてる人はきっとパニクってるから浮き輪どころじゃないでしょう?
M わかんないじゃん。
Y 溺れ具合によるかなあ・・・
M 溺れ具合を勝手に想像して飛び込んで、飛び込んだら自分もパニックしてるかもしれないよ。それで死んじゃったどうするの?その飛び込んだゆりちゃんが溺れてるのを見て他の船上の人が飛び込んできたらどうするの?
Y (苦笑)ゆりはそういうタイプかもしれない。
M 冷静にどうやったら溺れた人を助けられるかを考えた方がいいよね。何も考えず飛び込まれても困ることだってあるよね。
Y ある。
M 逆に言うと自分が飛び込むことによって相手は助かると決めてかかってる。過信ではないかね?
Y そういうところが自意識過剰なんだ。
M だったら一度立ち止まって考えた方が得策だよね。助けに来られた人のことも考えるとね。
Y 余計なお世話ってこともあるもんね。
M 余計なお世話程度だったらいいけど、最初溺れてた人は助かり、ゆりちゃんが亡くなったら、相手にとってすげえ心の傷になるよ。
Y うん。
M 自分のことを第一に考えた方が良いよ。・・・でもおいらも似たようなもんだからな。自分に言い聞かせてるんだ。毎日。自分が死んだら元も子もないとは思わないけど、それで周囲の大切な人を傷つけるのはやだからね。
Y よく言われる。あんたはいいかもしれないけど、周りのこと考えてよ。とか
M お母さんに?
Y いや友達とか服屋の店員とか
M 服屋の店員?
Y 仲良くなっちゃって。直ぐ仲良く成っちゃうから(苦笑)。
M 人なつっこいのは良いところだよね。美点もいっぱいあるんだから、悪いところは考えなくても良いジャン。
Y う〜ん。
M 悪いところを良いところとして表現するとか。
Y 話し聞かないところとか?
M 話し聞かないの?
Y あの子がね。
M ああ。でもその子の方が遙かに迷惑じゃないかも知れない。きっと飛び込まないだろうし。
Y 絶対しない。あの子は溺れてることに気がつかないと思う。「うそ!」とかってさ
M でも迷惑はかけないと思うよ。
Y 「浮き輪を投げて」って言われても「うそ・・・」だよ。たぶん。
M (笑)そりゃ困るね。でもまあそこまで人を分析出きるんだから大丈夫だよ。
Y ゆりは周りを巻き込みすぎる。
M (笑)でも全然関係ない人が心配になっちゃうんだろ?甘えでしょ?おじいちゃんが可愛そうって思うのは逃げでしょ?
Y どうして?
M 周囲の人に辛い思いをさせない上で全然関係ない人を可愛そうと思うのが筋でしょう?周りの人を幸せにしてあげられない変わりにおじいさんを幸せにしてあげるの?
Y それは順序が逆だ。
M 飛び込んだらそうなるじゃんね。まず周囲の人を幸せにしないとな。出来ないから「万人に愛を」なの?周囲の人も幸せに出来ない人が何故おじいさんを幸せに出きるのかね?
Y ああ。
M そういうところが互いに共通点だと思いますよ。ネットやっててもさ。不特定多数に「この人はどう思ってるのかな?」とか考えてたけど。おいらのこと気に入ってくれる人をちゃんと見ないといけない。いやいや“いけない”ってよりも、見たいなあって漠然とね。で、この対談ってことなんだけど・・・蟲はどうですか?
Y なんか「繋がってるんだ・・・」って感じ。つるむの好きなんだよね。
M じゃあ仲間なり家族なりを大切にしろよ(笑)。
Y (笑)
M 目移りしちゃうけどさ。自分の生活ありきだよな。

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