トレカブライブ

数日前じょにいと会った時、
「今年もトレカブのライブがあるよ」
と聞いた。そうか今年もそんな季節か。
今年もこんな季節かと感じる時、恐らく誰しも年末を指すだろう。
そうもう年の瀬だね。年の瀬って言葉はいいね。
歳末たすけあいとか、もうこれは季語と言っても良いね。
そして誰しも私的な季語といえるモノがあるだろうね。
私にとっては母校の学祭とお袋の命日が来るといよいよ年の瀬の足音を感じる。
そして今年もトレカブのライブだ。これもどうやら私の生活の一部になってきた。
トレカブとは「トレロカモミロとチュパカブラス」の略でバンド名。
どういうわけかコンセプトが微妙に解りにくいコスプレでその身を覆い、
歌謡曲とか歌謡ロックの類を演奏する。
メンバーは日本一のエロ短歌歌人川上史津子さんの妹さんのまきえさんがボーカル、
ギターはさわらさん、ドラムがまことくんで、ベースが天才占い師加納おりえ先生。
1999年にHPを立ち上げてから、5年の歳月を経て、今なお続いているのは
彼らの存在も一つの要因ではなかろうか、なんて大袈裟に思ってしまったりする。
実はじょにいともこのライブで知り合った。
彼らのライブは歌謡曲なんぞという昭和の匂いをぷんぷん吐き出すジャンルのくせに
古くさくない。きっと古くささを出したいのだけど、きっと恥ずかしいんだろうね。
しかし彼らはお互い長い付き合いだから、
どうしても青春という恥ずかしい甘酸っぱい匂いを充満させて、
その照れくささをこちらにも提供する。
私にはそんな甘酸っぱい青春はなかったから、本当に理解できないし、
共感はない。良いモノなんだろうなって雰囲気は解るけど、やっぱり理解できない。
でも毎年このライブを観ている私もこの中の一員なんだろうか?
取り込まれてる?まあそれも最初は嫌だったけど、今はそんなに悪くない。
流石にかなり聴かされたから、歌詞もだいぶ解ってる。
キラキラしている青春時代は今年も表現されていた。
何だかそれだけで、充分な気がする。でも何処か私には関係のない世界のような気もする。
外様は外様で心地良いからありがたいけど。
今回は二年ぶりのライブ。でもやっぱり変わらないモノは変わらない。
変わらないのが嫌だって思う時代もあるけど、
やっぱり変わらないモノは変わらなくて良いモノなんだ。
いつも外様の私は端に座っている。
でも恐らくその事実に気が付き、めんどくさいなという顔をしながら、
立ち上がり、最期は初めてかぶりついてみた。
何という親近感なんだろう。
相手はライブをやっているのに、とても身近だ。
こういうのもたまにはいいな。
来年はやるのかなあ。個人の変化はともかくこの雰囲気は一年に一度でいいから味わいたいモノだ。
そしていつまでたっても私はこの青春の甘酸っぱさを照れくさそうに
嫌悪感を滲ませながら触れていたい。
だって、そのキラキラした甘酸っぱさに憧れを抱くようになったら、
それは青春が終わった証のような気がしてしまうから。
ずっと私を外様でいさせてくれる存在が居るというのは有難い。
ずっと物事を斜に見る不良でいたいから・・・