最終日

朝はいつも通り、ロドを見送り、沖縄の町並みを散歩。
もはや日常と化していたこの生活も今日でピリオドだ。
最後の日は何も覚えていない。
無意味な感慨と何処とない気だるさ。
思い残す事が何かあるわけではない。
ボトルネックに行ったり、いつも通りの生活をしていた。
心に残っているのは、ロド一家が皆、痲酔の帰還を望んでくれた事。
また来いよという感じで見送ってくれた事。何か凄く嬉しかった。
旅は道連れ、そんな事がとても体感できた旅行であったなあ。
この日も沖縄の友達が一人増えた。名護の女の子で空港で知り合った。
沖縄はほんとに痲酔ごのみの顔の人が多い。
そう結局何も無く、昼間から酔っ払いの痲酔は空港にたどり着いた。
ロドとロドノ後輩に見送られながら。
空港に入った途端。もう沖縄の風や空気は忘れちまった。
空も思い出せやしない。それは悲しい事でもなんでも無い。
ウコンエキスをほおばりながら、飛行機は飛び立った。忘却の空を突き抜けて。

何かかわったのだろうか?
いや何も変わっちゃいない。スタンスも変化はない。
ただより一層、駄目人間度が増した。
そう、更に駄目人間として自分を受け入れる事が出来た。
そんな事実が真っ赤な衣服に身を包む痲酔ヤスタカには残った気がする。
そうだ。
「難しい事はあとで考えよう」
中途半端で、クラスの端っこにいる。だけど目立っちまう痲酔ヤスタカという人間。
男なのか女なのか自分の中でもはっきりせず、だけどそんな微妙な自分が
駄目人間だと知りつつも好きなんだ。
曖昧な自分をはっきりさせる事ばかりがいいわけじゃないと思う。
精神的浮き沈みが激しく、生活も安定はしていない。だけど幸せなんだ。
ダークな趣味があっても、変人といわれても、モラルは大切にしているし、
でもほんとはモラルなんてどうでもよくて、自分のやりたい事に正直でいたくて。
争いごとは嫌いだけど、はったりかましてて、エロにもグロにもサブカルにも精通できてないし
演劇もそんなに人に誉められた事無いし、でやめたらやめたで、それはそれで
叩かれてるけど、結局痲酔は今生きてるんだなあ。
死ねてないのよ。
だから生きていかなくちゃ。
なのかなって思ったのね。

死ねないなら生き恥さらして生きてくしかないのよね。難しい事は後で考えながら。


皆さんご愛顧ありがとうございます。tripは此れにて終了です。もう2ヶ月半が経過してしまいました。
また旅行に言ったら、その時もよろしく。では。