紅の豚

紅の豚 [DVD]
豚は守り神にはなれても色男にはなれはしない。なんてちょっとは思う。
美形じゃないどちらかといえば不細工も以外に何かに打ち込んでる姿が
美しく見えたり、年輪を重ね味のあるぐっと来ちゃう顔に見えたりする。
でも、そうじゃないのだ。かっこいいのだ。姿形じゃないんだ
とか思わされてしまうという言い方が正しいのかどうかは分からない。
でもね。

鈴木忠さんという日本で屈指の演出家がいらっしゃる。世界的な方だ。
現在静岡の日本平という山の中にある芝居小屋で県営劇団を主宰なさっている。
鈴木さんのお芝居を二度、三度拝見したときに同じような感覚に襲われた。
それはあくまで部分的なところなのではあるかもしれない。
何しろ筆者は鈴木さんのお芝居について、あれやこれや言うほど何も知りはしないのだ。
ただ、筆者が観た「マクベス」においてマクベス夫人を髭を蓄えた男性が演じておられた。
当然登場の際には若干失笑が漏れたのは言うまでもない。
だがしかしどうだろう。筆者も含め観客の数名はマクベス夫人の台詞によって泣かされてしまう。

いやもしかしたら全然違うのかも知れない。
だが、豚に一喜一憂する自分とマクベス夫人に泣かされた筆者は同じ人物だ。
美形は美形で素晴らしい。だが美しさは美形だけに許されたものではないのかもしれない。
当然ないであろう。とは思うが、その辺が筆者には伝えられない。でも感じることは出来る。
見た目と中身は全然違うのかどうかもはっきりしない。

でも彼らはかっこよかった。
http://www.ntv.co.jp/ghibli/