とある駅にて

とある駅で豪雨の丑三つ時、
捨てられた子犬のような
目でこちらをじっと眺める少女が佇んでいた。
レインコートに身を包み
洋菓子を手に抱え、道行く人々に
売りさばいている。
人通りも少ないし、売れるはずもない。
少女は物乞いでもするかのように
こちらを見ている。
俺様は仕方なく全て買い取り
洋菓子は犬にくれてやった。