ALI

アリ [DVD]
筆者が少年時代見たモハメド・アリはアントン(猪木)と闘ったモハメド・アリだ。
全く「ボクシング」を知らなかった筆者にボクシングは凄いんだとTVは教えてくれた。
モハメド・アリというビッグマウスの世界チャンプが当時茶番と呼ばれたプロレスと闘う。

アントニオ猪木は殺される」

とか。そんな番組構成だったと記憶している。
ハメドアリはアントニオ猪木を「ペリカン野郎」と罵った。顎の長さを見立てて揶揄した。
その発言は筆者にとって「アリキック」という猪木の作戦よりも衝撃度が高かった。
その言葉はボクサーは寝てる敵にパンチを放てないという事実よりも筆者を驚愕させ、興奮を煽った。
もの凄く自信過剰で、もの凄く威風堂々としたイスラム教徒のボクシングの世界チャンプ。
モハメド・アリは戦争に行かなかったらしい。
裁判に掛けられても決して戦争には行かなかったらしい。
モハメド・アリは電話口で友人に言った。

「ベトコンは俺をニガーとは言わないぞ」

もっともっと人々がひれ伏すような神で良い。
現在現実としてパンチドランカーのモハメド・アリは人間としてどうのこうのよりも
チャンプとして自信過剰のままであって欲しい。切なる少年の願望だ。
だから本作のモハメド・アリは筆者の中ではモハメド・アリじゃない。別物だ。
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