凶器の桜

凶気の桜 [DVD]
生まれて初めての歴史的なことが起こった。映画は凶器の桜、場所は浅草パレス。
歴史的なんて書いたがあくまで極私的なことだ。
映画館までの道は相変わらずの情緒。
時間があるから競馬客にまみれ、中継みつつ一杯引っかける。
ちょいとブラブラしてまだ時間があるけど、静寂の映画館に入る。
チケットを購入するせつな、もぎりのお姉ちゃんが何故かあたふた、
静けさが一際引き立っている。
缶コーヒーを買い、ベンチへ腰をかける。
上の階でやっている「OUT」の上映が終わり、3〜4人ほど降りてきて、
すれ違いに5人ほど階段を上っていく。
若者は居ない。婆さんの笑い声が遠くで聞こえる。
缶をゴミ箱に捨てる音が無機質に響く。静けさ、ひたすら静けさ・・・
「凶器の桜」が終わったようだ。中から老夫婦二組と老婦3人組が出てくる。
一様に本作の話しで持ちきりだ。楽しみだなあ。
中に入って後ろから二番目の隅に陣取る。空いている映画館なら決まってこの席だ。
いつもどおり、静かに目を閉じて、集中力を高める。まもなく眠る。
丁度CMで目が覚める。いつもやってる癖である。
辺りが暗くなったのを瞼越しに感ずる。CMが始まっている。
瞬間的にある異変に気がつく。あれ?
おいらは驚いた。いないのである。誰も。
観客がおいら一人なのだ。驚いた。その瞬間映画はとんだ。
このさえ映画どころではない。映画はまた見に来ればいい。
その先何をしたか憶えていないが、奇声をあげたり(かけ声ね)、
映画館内をくまなく彷徨った。横になったり、後ろ向きに座ったり、ズボン脱いだり

だけど後で気がついたんだけど、映画館の人は見てたんだよね。そういえば。