マルホランドドライブ

マルホランド・ドライブ [DVD]
気怠く曖昧な日常なのに、何処か不安げな暮らし・・・
そんなものなのかもしれない。
何か見えない存在に怯えながらも、何とかして生き延びなくてはならない。

筆者は本作を鑑賞て、とにかく爆笑の連続だった。
すっかり虜になってしまった。
最初の一時間ずっと何となく我慢してスクリーンを睨み付けていると
それまでどうして自分がムキになっていたのか
実に滑稽に見えてくる。
最早犯人がとか、何だとかそういうことはどうでもよくなる
日本には日本人資質というものは存在してはいても
かつて儒教思想のようなものはない様に思う。
実際筆者も昭和末期の生まれだから当然ない。
知識として、「業を克服しなくてはならない」とか「親孝行はしなくてはならない」
とか分かってはいるが、実際なしえていない。
経済だけではないが、バブルが弾けて、親の世代よりも確実に
稼ぎは減ってるのが現状だから、難しいという面もあるだろう。
何とか生き延びなくてならないので常識だとか言ってられない現状なのかもしれない
(でもまあ誰も餓死しないんだから幸せだけど)
そういうある程度の倫理という存在があり、それをずらすような笑いが筆者は好きだ。
でも共通の感覚としてない以上、なかなか生まれにくい笑いの世界。
仕方なくフレーズがぐっとくるとか、インパクトのある表情とかで笑いは生まれてる感じがする。

本作は必要なモノをだいたい揃えた。
その揃ったもので鑑賞者はどれだけ遊べるか?を問われているように思う。
筆者は爆笑した。
フレーズ責めな箇所もあれば、皮肉然り、上記したような笑いも含まれている。
耐えた果ての壊れた世界とでも言うのだろうか。
とにかく笑えた。