The Matrix Reloaded

マトリックス リローデッド 特別版 [DVD]
前作は筆者大絶賛“であった”。ストーリーはともかく、此は“凄い”。
この“凄い”はテーマパークのアトラクションの如くで、嬉しい誤算だった。
“であった”と過去形を使っているところを見ると本作は
駄目というか、好きではなかったかというと、
そんなことは無かったが、
ちょいと違う処に気がいってしまった。着眼点が変化したということ。

結局数学を征するものが人間社会の勝者なんだったら、
数学が解らない筆者は“負け犬”である。
事実“負け犬”だが、現在まで少なからず足掻いては来た。
“負け犬”だと解っているならば何とかしなくてはいけないし…と思ってきた節がある。
だがもう一方で負け犬の美学というか遠吠えというか、
その類を所持して喜び勇む己の心情もある。

数学なんて解らない。
今まで理系の大学に進学したり、自分なりの努力を重ねてきたが、
別段数学なんてさほど日常生活に支障を来すほど必要でもないしと投げてきた。
しかし考えてみれば、所謂ロジックは数学的なモノであるし、
算盤を進化させたPCという代物が何やら世間を騒がせている。
実際筆者もPCを使い、インターネットでこうしてウェブサイトなんぞ開き、
毎日e-mailを50通ほど送受信し、ネットサーフィンを日課としている。

だが数学なんて解らなくても、PCや算盤は使えるし、日常的に困りはしない。
そのミニチュアというか小型の算数をそれなりに理解し、数字を解すれば、さほど支障
がない。
その程度の暮らしだ、といわれれば確かにそうであるが、現在生きながらえている。
当然だが論理なんて別になくても生きていける。
生理的基準で何とか生きながらえている。

しかし本作である。
本作を鑑賞して恐らく映画の世界の夢物語と感じる人も多いだろうが
その構造と言えばよいのか、それは人間が考えたものだし、
実社会も当てはめることも可能である。
地球なり、宇宙なりという人間が決めた“ルール”は
恐らく数学的、論理的に決定されてのものであろう。
人間が決めた「原子」で全ては作られ、
関係しあってバランスをとりあって生存している。
生存に至ってもしかしたら人間が決めた“ルール”かも知れない。

ずっと考え続けるのは可能であるが、そりゃ無理ってもんだ。
何処かで思考をストップしなければ、身体が持たない。
日常生活を送っていくのに色々やらなくちゃならないことがあるから、
“ルール”を紐解いている暇がない。こちとら学者ではない。
其れを間違っていると言われても仕様がない。
寝なくちゃいけないし、飯食わなきゃいけない。そっちのが大事だ。

とかなんとか言いながら暇なとき本作の小型のようなことをふと考える。
残念ながら、やはり気にかかっているのもまた事実である。
http://www.thematrix.com/