スピーチ

わたしが25歳の頃活動休止にした劇団の座長をやっていた頃
当時の団員の結婚式の司会をやった。
新郎新婦が列席して無くともウェディングプランナーと
打ち合わせをしたりと準備に時間がかかった。
しかも当日は人前式という方式の契りを二人が交わしたので
「アナタハカミヲ・・・」
とまでは云わなかったが、其れに近い進行をした。
いやびっくりしたっけ。何しろ痲酔の進行で二人が契りを交わすのだ
驚いたね。
さてよこかわ氏と涅槃図を観た後、例の如くロイヤルホスト
飯を大興奮の中食し、
首都高護国寺インターから高速に乗った。
よこかわ氏も付き添ってくれて、何処か適当な處に降ろしてくれとの
ことであった。
土曜日の首都高は殊の外大渋滞だ。
やっと大黒ふ頭に到着した頃には真冬なのに暑くて堪らなかった。
わたしはこれから結婚式に出席するが、
よこかわ氏は特に目的もないので、ちょっとした旅行気分のご様子で
ちょいと羨ましい。
結婚式とは云っても、気心の知れた大学の後輩のであるし
特にこれといって何か役を戴いては居なかったし
つまり呑んだり喰ったりしてれば過ぎ去るちょっと高級なパーティに
列席するつもりでいれば良かったので、わたしも何となく心地よい風を
感じていた。
結局適当な場所はなく、よこかわ氏を式場まで連れてきてしまったけど。
式場はセントジェームスクラブ迎賓館という横濱は野毛山にある品の良い建物で執り行われた。
駐車場で礼服に着替え、さてはてどうしたらよいものかと
思い、あたふたしていた。仕方なく列席予定の後輩に電話すると
今余興の稽古の真っ最中だという。
後輩二人で余興の練習ということは痲酔は外されたのね(泪)
まあ賢明ではあるね。新郎と後輩二人の発案で痲酔さんを加えると
何かとめんどくさいからという理由で外したとのこと。
正しい意見である。納得。
よこかわ氏には野毛山動物園の素晴らしさを伝え、其処で別れた。
なんとも羨ましいような、申し訳ないような気分だ。
時間があり、散歩するにはあの辺りはとても素敵な處だよね。
ラウンジというか喫茶スペースというかそんなところで
後輩と合流し、カフェなんぞしながら近況報告とかする。
そうこうしてる間に式が始まると云うから
急げトイレへとなる。
しかし当然満員御礼。
先に駆け込んだ後輩の一人は滑り込みで便器をゲットしたが
痲酔は行きそびれる。
やむなく渋々エレベーターボーイにエレベーターに乗せられ
「もうご列席の方はいらっしゃいませんか?」
と訊かれ、当然「はい」と返事をする。
後輩がまだトイレにいるというのに・・・ちょっとした復讐。
さあ式が始まったが、その後輩まんまと式に遅刻と相成った。へへへ
大学時代の知人の結婚式というと決まって恥ずかしい思いをする。
当然わたしは友人の席に座るのだが、その席上で
「どういったご関係で・・・云々」
といった咄になるのだが、大抵こちらが知らない人でも向こうは知っている。
「○○という芝居観ましたよ。」
とか云われる。何か恥ずかしいなと思う。
彼らの余興も終わり、二人とも緊張とかなんとかで
食事もとれなかったろうから、確保して置いてやろうかな
と思い、バイキング形式のビュッフェに幾度も足を運ぶ痲酔。
しかし待てよ。
新郎の友人席ってここだけだ。
大学時代は愚か学生時代の先輩っておいらだけなのだ。
あれ?これはもしかして・・・
当然ぶっつけでスピーチ。
あ〜あ。こんな金髪で来なければ良かった。
金髪のちゃらちゃらしたおにいちゃんが学生時代の先輩代表では
面目が立たないではないか・・・まあこれも語りぐさかね・・・
滞り無く式が終わった。
新郎から待ってるようにってことなので
またさっきのカフェスペースで待つ。
余興をやった二人は偉く反省してる。
まあいいや。それなりに良かったよ。ってな励ましは云えない。
性分的に。でもまあ悪くはなかったと思う。
さてと二次会だ。
ちょいと桜木町あたりの居酒屋で・・・おいらは車だけど・・・
そうか参ったな。まあいいか・・・いや駄目だろう。
判ってはいるが当然呑む。醒めてから走りゃいいだろう。
明日は横須賀で苺狩りだから
まあいいやこのまま横濱にいようか。
みんなでサウナでも行ってさ・・・