The Tramp begged for tragedy but was sent away.(浮浪者)

目を開くとドンよりと曇空が広がって
ごくりと大きく息を呑んだ。
もうこの騒音にもだいぶ耳が慣れしたしんで
きたようで、ちょっと複雑だ。
シケモクを大量に手に入れる事が出来たのを
いいことに、結果今日の大都会の空気に
咳払いをする。
シケモクに火を点ける。
私は悲劇を求める乞食だ。
悲劇なんぞ吐いて捨てるほどあると聞いた。
私は悲劇を望み浮浪者となった。
どうにもならん
いやそうかもしれん
だけど私は追っ払われた。
喜劇じゃ勿論無いが
こんなもの悲劇でも何でも無い。

ただ
今日と言う日も私は
思いこみに救われる事は無かった。