vanity(零笑)

世紀からZEROが消滅した。
未だこの場を離れる事の無い肉体にとって
恐らく最後の世紀となるだろう。
きっとこの精神を保つ事が出来ても
次の60年代に学生運動で火炎瓶を握るだけの
力は持ち合わせてはいまい。
決して切ないわけではないが、ZEROが消え
その事実が頭上に降り注いでいる。
浮世離れした殺伐に一喜一憂したそんな時代に
今世紀もなるのであろうか?
少なくとも世紀の前半に人生の末期を迎える自身は呼応するように勃起出来るのだろうか?

ただ今は清清しい虚栄心と
「んなあこたあどうでもいい」という
郄木三四郎的気分が交差しつづけ、仕方なく
一歩一歩足を前に運んでいる。

大勢の人だかりにはやはりついていってしまうかもしれない。
でもせめて、孤独に走る奴を冷ややかな目で
一瞥するのはもうやめにしよう。
嘆いているのではない。憂いているのだ。

この憂いは少なくとも剣を握らせるべくテンションに成り得ると私は信じてみようとおもう。