痲酔ヤスタカ獨言第誤回「報復」(ウィルスダスト通信 「膿」  20

手塚治虫の人気漫画「ブラックジャック」に「魔王大尉」という噺がございます。
「魔王大尉」はとある村を虐殺して英雄になった米兵という設定であります。
ところが万人に恐れられた英雄も脳近くに弾丸が発見され、命が危ない。
アメリカ中の医者に取り出すよう指示を出しても、誰も出来ないと断られてしまう。
というわけでブラックジャック先生の登場と相成るわけだが、患者は英雄と名の付いた
天下の人殺し、人殺しと言えば、誰かに憎まれているにんぴ人、当然反対にあうでして。
反対してきたのは村の生き残った子供たち。先生は彼らの気持ちをくんで手術する条件
として、彼らを立会人にする。
さあて困ったのは「魔王大尉」。魔王大尉と恐れられて人でも、自分の命は惜しい物。
先生は魔王大尉に麻酔をかけてから、子供を手術室に入れる。
魔王大尉は薄れ行く意識のなかで、その子供が何者なのかを先生に明かされるがもう
後の祭り
とてつもない恐怖から、弾丸を取り除こうとも、心は快復せず、自殺する。

私は結局、やれ「報復だ!」、「やったのは一人なんだから一人だけ裁判にかけろ!」
だとか
「その主義の人間は皆殺しだ!」「いや民族まとめて皆殺しだあ」
だとか
その類のことは当の昔に諦めている。賛成とか反対とか・・・
一寸した行き違いで人間という物は怒りを買ったり買われたり、
更にこの度は大勢亡くなっているから当然だ。
しかもまずいのは最もどでかい國でそんなことが起きてしまった。

以前、ペルーでテロがあった。
ペルーのテロリストは日本大使館に人質をとって立てこもった。
フジモリ前大統領の悪政に声を上げたわけだ。
彼らは平和的解決を望み、血を一滴たりとも流さなかった。
にもかかわらずフジモリ前大統領はテロリストを皆殺しにした。

それから数年後の現在フジモリ氏は日本に亡命している。
ペルーを追われ、日本で暮らしている。
一体どういうわけだろう?私には理解できない。

もう諦めるしかないのではないかなんて思う。
確かに巻き込まれたら、どんなことしても対処の仕方があると思う。
思うんだけども・・・・魔王大尉を戦争孤児たちはあやめなかったんだ。

ついに戦争が始まった。あの空爆は誰のためのものだろう?