贅沢な骨
気怠い空気の重さに仄かに薫る甘いようなそんな雰囲気が充満する部屋。
其処には少女が二人住んでいて、蠢くように藻掻いている。
「レズビアン」というはっきりとした形質がなくとも、
部屋には二人が全てだからなのか、世界がまるで二人しかいないように
引かれあっている。二人は愛し合ってしまうかどうかという現実を無意識のうちに
怯えたり、妬んだり、恨んだり・・・・。
外から見ればお姉さんと妹。お姉さんは呼吸器系の病に冒されていて、
妹はひょんなことから骨折して入院する。
男は女を買う。二人の内のどちらかというとお姉さんの方。
お姉さんは妹に留守番を頼み、不感症という「特技」を使って体を売って暮らしている。
でもその男は違った。弁当屋で弁当を買いながら、買った女を待つ男にお姉さんはイッた。
妹は不思議な気分になった。でも、すぐに思い直した。
「あたしは汚いから」と。
自分が死ぬことよりも相手が死ぬことの方がずっと辛い気がした。
やがて部屋には男が来るようになった。
妹が入院している間、お姉さんはその部屋で男とセックスした。
妹は
「あたしは汚いから」と言い聞かせた。
やがてどちらかというと男はお姉さんの特別視を重みに思ってか、妹と仲良くなるようになり、
お姉さんは妹と違ってジェラシーを持った。
微妙な心の縺れから、お姉さんは妹と男がやることを望んだ。
実際ことは起きた。「あたしは汚いから」と泣き崩れる妹に男は手をさしのべた。
お姉さんの望みであることを知った妹はお姉さんに申し訳なく思った。
男はもういい加減耐えられなくなった。
己の生殖器は二人の少女の愛の共有物になっただけでなく、大変な所は全部預けられているように
感じてしまう。もう二人でやってくれと。二人の化学反応に使用されるだけの器具、
沸騰するための沸石はもうごめんだ。二人の仲良し具合を認識するための二人で選んだぬいぐるみ。
マルコヴィッチの穴と同じだけど、好感触なのは男がかっこよかったのと
お姉さんがほんとにいっちまったことかもしれない。
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