WATARIDORI

我々現代人は狩りや猟をするかわりに各仕事を持っている。
かなり昔は人間も狩りや猟を行い、やがて知恵を付け、田畑を耕し、家畜を飼い、
現在では天然資源を加工したものまで食糧として扱っている。
しかし我々現代人はお金という価値によって体系化されているので
そのお金を獲るために各の役割を果たしている。
それにしては余計な事を繰り返すわけだが、大儀として食うために働く。
余計なことと書いてるが、実際には生き延びるために食うんだから、
「食う」というのも武器といえるかも知れない。
そうすると武器や防具を買うために働いているといえるかも知れない。
原始時代の人は腹が減ったら、狩りや猟に出かけた。腹が減ったら、
その場に食糧のある現代人とは大違いだ。
腹が減ってから働くのと、予め働いておくのは違うのだろう。
現代人は肥満に悩まされているのもそこに起因するのは明白だ。
筆者は本作を鑑賞て驚いた。人間は生命体なのだ。
当然だが、渡り鳥も生命体だ。
生命体としてこの世に生を受けた以上、
遺伝子を引き継いでいくという最大の役割を抱えている。
そして生きながらえようとする。家族を守ろうとする。
人間も渡り鳥も同じなのだ。
カメラワークの妙から、
スクリーンにはおそらく鳥の世界が余すところ無く映し出されている。
だから筆者も鳥になった気分になる。
スクリーンに映る鳥が死ねば、涙が出て、可笑しければ笑う。
同じ鳥としてそう思える。そんな作りになっている。

でも、本当は違うのだ。人間なんだ。でも同じなんだ。
そもそもは同じなんだ。そんな気がした。
生き延びるために生きているんだ。
何故生き延びるかと言えば、きっと生命体としての本分が
「遺伝情報の伝播」だからだろう。
遺伝情報の伝播を行うために出来るだけ環境整備をする。
そのためには一秒でも長く生きなくてはならない。
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