天下祭り 11月22日(土)

今年は江戸開府400年ということで
江戸の天下祭りを復刻するという。
また今日から三日間が開催日というのだから
これまた憂斬と足を運ぶのは当然とも云える。
千代田区主催も当然。
なにしろ江戸三大祭りの内二つ
神田明神神田祭りと日枝神社の山王祭りは
江戸城内に入ってもいい祭りとして
現在の千代田区に位置するのである。
とは言ってもやはりメインは24日と見えて
物産展と名の付く露店が日比谷公園に處狭しと
並んでいるだけ。山車や御輿は並んではいるが
やはり大したモノではない。

しかし本日の我々のメインは違う。
我が師との会食が主なのである。
場所を代々木に移し、青木先生との会食。
何しろ7年ぶりだ。例え私でも自然と緊張する
時間前に集合場所に到着するも落ち着かない。
間違えているのではないか・・・諸処疑問が
わき起こる。憂斬を残し、あっちこっち
ウロウロと。我ながら情けない。

学生時代、師匠はわたしの名前を覚えては
くれなかった。偉大なお人であるから
わたし如き記憶してくれるわけがない。
とは思っていた。しかし
何故だか顔を観るなり
「こんな形で会えるとは・・・」
例え社交辞令でも嬉しい。有難い。
もう有難すぎて、涙が出そうだ。

わたしは海洋学部という海を専ら扱った学舎に
四年の歳月通学した。
なかでも海洋地質学といおうか
海洋資源学といふ学問を専門に学んだ。
そのきっかけは我が師青木先生が著された
とある子供向けの図鑑であった。
その図鑑を読み、私は海底火山に虜になったという
経緯がある。その幼少期の憧憬は現在でも抜けない

大学時青木先生はとにもかくにも
雲の上の存在で、同じ室内に存在しても
私語は慎んでいた。唯一話した覚えがあるのは
芸術・芸能の話だ。
芸術・芸能というわたしのガキの頃から触れてきた
趣味に対しては食い入るように聴いてくれた。
もしかしたら当時此方が控えていただけで
様々な話を聞いてくれたのかも知れない。

そして7年経過した今日
私は先生の話を伺うにつけ、ついつい夢中になり
自分の話を夢中になってした。
緊張や憧憬の念は解けないが、
兎に角夢中であった。
もちろん主に芸術芸能の話だ。
先生はまたゆっくりとした面もちで
私の話を怒りもせずに聞いてくれた。
感激である。意気に感じる。

帰り際先生は楽しかったと仰った。
それだけで充分である。あまりある。
貴重な時間を割いていただいただけでも
充分なのに、その瞬間またまた社交辞令でも
なんでもそう仰ってくださったのは
私の励みである。

先生が実際どう思ったかは解らない。
神に向かって
其処まで余裕はない。
しかしそこに居ることが出来たというのは
ひたすらに感動である。

その後わたしは憂斬を我が家に招待した。
我が家に私が人を招待するのは初めてである。