苺狩り

さて横須賀に向かう。
わたしはとかく神奈川の地理に弱い。
実は前述の二人が神奈川県の地図を持っていて見せて貰い、
初めて神奈川県の配置が判ったほどだ。
これが8年静岡県に住み、残りを東京で暮らしてきた30男の正体である。
その間に位置する神奈川県について何も知らない。情けない。
とにもかくにも下に向かわなければならない。
下というのは南のことで現在東名荏田から観ると
南である。南に進路を取れ!というこった。
まあいいや判る道を行けばよい。
とりあえず新横浜を目指し、そこから環状二号で桟虚さんを拾えば
いいか・・・
とかなんとか云ってると当然二人は集合の場所である京急長浜駅に
まんまと遅れて辿り着き・・・
さあ気を取り直して苺狩りだ。
苺狩りは久しぶりだし、わたしゃ苺狩りと訊けば相場は
静岡県は久能街道石垣苺しか体験したことがないし、
じゃあここは一つバリバリ喰うぞとなった。
一心不乱に食べ続け、しかし旨いねえ。
どれだけ喰ったか知らないが、苺狩りスタッフのおばさん達が
呆れていたのを観ると軽く4,5パック分は喰ったかね?
いやもっとか?
何しろ入場時に貰ったコンデンスミルクの入った容器に山盛りの蔕だったから
これはかなりの数でしょうな。
まあそんなことはどうでもいいか
しかし途中で挫折しそうになった私に月島なりさんが
「カレーを思い出せ」
という叱咤激励に何度救われたことか・・・
なるほど苺とカレーという絶別腹路線な好物をチョイスする辺り
流石の一言としか云いようがない。
続いては月島なりにおける露西亜年である今年ということで
火の鳥という露西亜料理を平らげに行く。
これまた海沿いの素敵な店で堪らない。
もう疲労困憊の痲酔は脳内モルヒネでまくりで錯乱というか
陶酔というかもうそんな状態で、午後の昼下がりの素敵なロシアンティが
胃袋どころか脳内にも染み渡り、呑んでもないのに泥酔だ。
その後のことはあんまり憶えていない。
その薫りというか、匂いがなんかとても心地よかった。
道は判らなくとも海の薫りとともに横須賀の美しい風景が
わたしの記憶に留められた。
しかしそんな風に夢見心地だけで終われるほど人生は甘くはない。
帰宅途中ガス欠になりかけるは大渋滞だわで・・・もういいや
辞めよう。
もう寝るぞー!
壮絶な二日間が幕を閉じた。