ショッピング

私は最近ショッピングが好きだ。
ショッピングと言っても殆ど購買しないので
『ウィンドウショッピング』という方が正しい。

私はモノを買うのが嫌いだ。
何しろ部屋が2畳しかないのだから置き場に困る。
しかも欲しいモノなんて特にないと来ている。
強いて欲しいモノを挙げればベンツぐらいだ。
しかし偶に買えば衝動買いだから始末に悪い。
欲しいモノが無いのだから、買えば無駄なものとなるのは
当然だが困ったものだ。

他にも購入嫌いに理由はある。
内の祖母は7年ほど前に他界した。
生前は東京下町の月島60年ほど在住であった。
彼女があの世に旅立ち残された遺留品の数々は
本家である我が家が引き取ることになった。

月島の家をそのまま残すというプランが我が家の中心的な
意見ではあったが、其処はやはり経済という重くのしかかる
現実により、人に貸すという結論を導いた。
其処で困るのが遺留品と言う名の残された私物である。

何しろ60年という歳月が産み出した品の数々
困る。想い出でも無けりゃがらくたの類であるから始末に悪い。
いやいや
想い出なんて心理が働くからより始末に悪いとも云えるか。
だが残念ながら業深き人間痲酔はどうしても
捨てることが出来ない。

で、まあ仕方なくレンタルガレージなる荷物預かり所を借りる。
でもね
これもただじゃない。ロハなら幾らでも置くがね・・・
で、処分しちまえとなる。

しかし昨今捨てるのにも貧乏人には重荷となるのだ。
やむなくリサイクルショップに二束三文で叩かれるのが
関の山だが、やだね、やだやだ。涙が出る。
60年という婆さんの名残を銭金で換算などできないし
始末にわるがっている現代人の己の器の狭さ
了見のレベルの低さに腹が立つ。

其処で思った。
物を買う奴は現代では損をすると決めたんだ。
想い出なんざ心の中に綴じ込めときゃ良い
忘れちまうなら紙に書いとけばいいし
其れも邪魔ならPCに記録しておけばいい。
観て感触を匂いを思い出せばいいそれだけだ。
だからモノなんざ買うのはやめにした。
買えば金はかかるし、後で始末に悪い。
始末に悪く、気分を害すぐらいなら
いっそ頭の中に綴じ込めときゃいい。
で、経済社会においては問題があろうともおいらはそう決めた。

だからやなのである