映画夜話

バロウズの妻

カート・コバーンさんという夫を亡くした妻コートニー・ラブさんが 作家WSバロウズ氏に殺された「バロウズの妻」ジョーンを演じるとは大変興味深い。 というわけで、映画館に足を運べなかったので、ヴィデヲで観ました。 デヴィット・クローネンバーグ監督…

時計仕掛けのオレンジ

時計仕掛けのオレンジは悪趣味だ。確かに。 それは正当な評価かも知れない。 キューブリック監督はどうも芸術という隠れ蓑に籠もった半端な監督だと思う。 それも正当な評価かも知れない。 この映画は最早古くさいが、当時は時代の魁で、半端無い映画だ。 重…

tamala2010

実に困ったもんだ。 何だか脳内のウジ虫が一気に騒ぎ出して、それに呆気にとられていると涙は無尽蔵に流れ出し 劇場脇の壁から何だか汚らしい光の玉が湧いてきて、 おいらを手招きしてる。 「ウルセエ」 とか叫びそうになったけど、それも出来ず、ただワナワ…

Dolls

筆者の心の中にも「あいつ」は潜んでいる。 というよりも大々的に原動力となっているといった方が近いかもしれない。 筆者は「あいつ」のことを罪悪感と呼んでいますが、 本編では愛と呼んでいました。 筆者が高校生の頃、第三舞台という劇団の芝居を見まし…

青い春

その日シネマライズでの上映は「青い春」と「ピンポン」だった。 まさに松本大洋祭といった様相。 しかし漫画が原作の映画というのはちょっと気の毒に思う。 漫画というのは決まって長編だから、2時間弱に纏めると どうしてもダイジェスト版のような作りに…

贅沢な骨

気怠い空気の重さに仄かに薫る甘いようなそんな雰囲気が充満する部屋。 其処には少女が二人住んでいて、蠢くように藻掻いている。 「レズビアン」というはっきりとした形質がなくとも、 部屋には二人が全てだからなのか、世界がまるで二人しかいないように …

ヘドウィグ&アングリーインチ

「流石に泣いてしまった。」 本作の内容を述べるのも、胸が詰まってしまうのでこの一言で謹んで感想に変えさせて頂きます。 というわけにもいかないので、 胸を詰まらせながら、書きます。でもきついので勝手にヴィデヲパッケージの裏を 引用させていただき…

1/11 ゴーズトシップ

公開初日と言うことで偶然見に行きました いきなりの惨殺シーンに酔ってしまう痲酔。 内容の浅はかさがかえって映像の美しさを際だたせてる 近年まれにみる秀作ですな。 廃墟が素晴らしく、人の死ぬシーンが素晴らしく 描写が非情に貧困で、今回ばっかりは見…

12/08「魂のアソコ」

http://www.alpha-net.ne.jp/users2/zeeko/index.html おいらはグロッキーでした。朝はいつもこうだ。憂鬱です。 殆ど眠れずに荻窪へ。会場には30分前に到着。 長蛇の列。痲酔は月島殿が取ってくれた前売り券でスルリと 中へ。パンフを買って、読んでいる…

12/07

一昨日「夜を賭けて」 http://www.yoruwo-kakete.com/ という映画を見てきました。 唐十郎、キキキリン、清川虹子、フブキジュン・・・という豪華 キャスト陣にひかれて行ったんですが、もの凄いエネルギーを 放っていました。でも残念ながら理解できません…

うつつ

先日行われたFIFAワールドカップで見られた日本人の愛国心ってはっきりいって 頭上にクエスチョンマークが着いたんですね。 だってね。かなり昔の話しですよね。あの感覚。 日の丸最上論とまではいかないまでも過剰な愛国心。 実際は愛国心ってよりも、何か…

少林サッカー

「この手の映画は大嫌いだ。」 と劇場に足を運ぶ前に思っていた。当然見た後も同じくそう思っている。 CG構成の試合オンパレード。下らない内容のない中身、笑えるだけでどうしようもない。 後に何も残らない映画。そんな映画は大嫌いだ! とまあ肩肘を張…

ALI

筆者が少年時代見たモハメド・アリはアントン(猪木)と闘ったモハメド・アリだ。 全く「ボクシング」を知らなかった筆者にボクシングは凄いんだとTVは教えてくれた。 モハメド・アリというビッグマウスの世界チャンプが当時茶番と呼ばれたプロレスと闘う…

WILDZERO

今日は自分の事は棚に上げて書く! しかも局面は無視する。 勧善懲悪なんて今の日本においてありえない。 神にすがるものもあれば、神も存在し、天は人の上に人を作る。 でも全てが悪いんじゃないし、良くもない。 責任なんてあったもんじゃない! 故小渕元…

リュシアン 赤い小人

花の銀座のCINE LA SEPTでリュシアンを見た。 「毒をもって毒を制す」 といった感じか? 「ロゼッタ」(まだ観てない)で脚光を浴びるベルギー映画。 子供ほどの背丈しかない主人公リュシアンは 日頃から耐えかねていた世間の誹謗中傷に逆ギレして行く作品で…

マルコヴィッチの穴

本作うんぬんの前に「痲酔ヤスタカ」の人生に最大のミステイクを発見した。 「あ!」 って気が付いた。あまりにも突然に。 であるからまあ、これを読んでる皆様には申し訳ないのですが もはや映画どころではない。アハハ・・・(笑い事じゃない) しっしかっ…

マトリクス

またマトリックスを見てしまいました。 「また」って発すわけには観るのが二回目というわけなのです。 凄い映画だにゃ〜。 といってもあの手の映画はあんまり好きじゃないんです。 あの感じの漫画とかアニメだったら好きだと思います。 「ジョジョの奇妙な冒…

brother

「あういうオヤジはかっこええなあ。理屈抜きに」 もうそれだけでいいかなとか思います。内容なんて問題じゃない。 本作の中に登場するバイオレンスはアンチテーゼだと思うんですね。 「優しさ」とかを浮き彫りにするために、暴力とか悪とかってあるんだろう…

ファザーファッカー

はっきり言って筆者には感じるものが少なかった。 もうただただ酷く羨んでいた。 田舎町から本当の父親が出て行ってしまった。 女三人家族で生活し、生業として母親はキャバレーヅトメ。 母親の男が何人も入れ替わり立ち変わり「オヤジ」としておとずれるは…

秘密

映画「秘密」の楽日に行って来ました。 列の先頭で、見渡す限り広末フリークばかりでした。 想像通り最悪の事態でした。 本作を独りで見に行くのはやはりその危険がはらんでいるのです。 なるほど後ろにいる女の子の集団やカップル達、そして無理矢理券かわ…

ダンサーインザダーク

こんなに恐怖におののいた映画は見たことがない。 というのが率直な感想だった。 歌姫ビョークさん扮するところの工場勤めの一児の母。 彼女は重い十字架である先天性の視覚障害というものを背負っていた。 やがて視力をなくなる・・・そんな恐怖の中で危険…

大河の一滴

雌からクローンが産まれるようになり、雄の存在は生命の誕生にとって きっかけを作るだけのものに存在意義をくくられつつある。流速が速いだけに、「大河の一滴」は多くの大河の一滴に 遭遇することはできない。この大河に今日も雌にきっかけを与える雄と 新…

運動靴と赤い金魚

「今夜は何を食べようかな?」 なんて思いながら、のんびりと仕事してるのに「のんびり旅行でもしたいなあ」と思っている。 そんな日常が結構ありきたりだったりするし、筆者も例に漏れずそんなのんびりとした日を経験することも あります。そりゃね。 そり…

アニーホール

ウディ・アレンと言えば、大物である。セレブである。 そんなこと筆者が言うことではないが、言わずと知れた本作でオスカーを受賞した名監督とされる人だ。 最近東京では恵比寿ガーデンプレイスの独占上映がまかり通っているが、 コメディで初めてオスカーを…

悲しみよさようなら

夜中に民放恐怖症としては珍しくTVのスウィッチをポチっと。 こういう時、偶然やっていた映画が 「好きな感じの映画ではなかったけど、なんかよかったなあ。」 という感想だったら、ラッキーですよね。 特にこれといって「見たい」と思ったわけでも、 「映…

偶然の恋人

日本は世界で一番映画の鑑賞料金が高い。 具体的な事は知らないし、知っても仕方がないので、どうでもいいのだが、 そんな噂が筆者の耳に入ってきた。 そんなせつな 関東地方にある新幹線も停車する大ターミナル駅の某映画館が幕を下ろした。 場末の館?は大…

孔雀

渋谷のシネアミュ−ズで「孔雀」という浅野忠信さん主演映画をみてきました。 クリストファー・ドイルとおっしゃる「天使の涙」などでカメラさんをやっておられた方の監督作品でした。 「悩みっぷり」サイコー! 重みがあって、その重みに対する照れ隠しが程…

紅の豚

豚は守り神にはなれても色男にはなれはしない。なんてちょっとは思う。 美形じゃないどちらかといえば不細工も以外に何かに打ち込んでる姿が 美しく見えたり、年輪を重ね味のあるぐっと来ちゃう顔に見えたりする。 でも、そうじゃないのだ。かっこいいのだ。…

黒猫白猫

「人間て奴はさあ・・・」 から続くあらゆる台詞を結婚式を通じて暴き倒している作品のようです。 冠婚葬祭というのは日常の中の非日常でその非日常に日常で培ってきた色んなものが出てしまう所。 日常というマラソン(生存競争)における休憩所と言えるかも…

ザセル

「羊たちの沈黙」におけるハンニバル・レクターの登場時間はほんの数分らしい。 筆者の知る限り、「羊たちの沈黙」以前と以後ではサイコ系の映画は変化があるように思う。 犯人は決まって、精神病で、プロファイリングっていうよく分からない言葉も頻繁に使…